麓寿庵

麓寿庵

喧騒を離れ、明治の和みへ。

明治の香りを今に残した純和風建築で味わう、極上の「華わらび」 

 

今回は、100年にも及ぶ長い年月を刻んできた登録有形文化財・久保家住宅をそのままに残した、「麓寿庵」というわらび餅専門店をご紹介いたします。京ホテル喜招邸御所南からは歩いて15分ほどの街中にある建物ですが、現在は採掘が禁止されている京都の銘石・鞍馬石を使用した庭石や、現代ではもう生産することのできない「大正ガラス」など、「再現できない」京都の歴史を肌でお楽しみいただけます。 

 

久保家住宅(旧今尾景年家住宅)とは 

日本の明治から大正時代にかけて活躍した、京都出身の四条派画家・今尾景念が晩年を過ごした旧宅です。景念は南禅寺の雲龍図や大正天皇即位時の献上品などを手掛けており、当時高名な画家であったことが伺えます。 

景念は茶の湯をこよなく愛しており、こだわりの茶室を見学することもできます。茶室で特徴的なのは大正天皇から賜った柱です。中央に大きなこぶのようなものがあり、それを猿に見立てて飾っているのだとか。 

 

「再現できない」歴史 

麓寿庵で見ることができる「鞍馬石」とは、かつて京都の鞍馬山で採掘されていた花崗岩の一種です。赤褐色の色合いや灰色の斑点模様が特徴的で、その情緒的な雰囲気から茶人に好まれた石だとされています。現在は規制があり一般的には採掘が禁止とされているため、当時の茶人たちが好んだ侘び寂びを今に伝える貴重な石のひとつです。 

また、廊下と庭を隔てるのは「大正ガラス」です。「大正ガラス」とは、明治から大正にかけて職人が一つひとつ手作りで作った手延べガラスです。特徴的なのはその“揺らぎ”。不規則に歪んだ手作りならではの風合いで、ふたつとして同じガラスは存在しません。現代では平たく透明度の高いガラスが主流となっており、「大正ガラス」の製造技術は確立されていないため、いわゆるロストテクノロジーのひとつでしょう。また、当時はまだ高価であったガラスがふんだんに使用されていることから、その財力を伺い知ることもできます。 

 

見て、食べて味わう「和の美しさ」 

麓寿庵の名物といえば「華わらび」。エディブルフラワーを中に閉じ込めた透明なわらび餅は、その見た目の美しさによりオープン当初から大きな話題を呼びました。アート作品のように色鮮やかなわらび餅の隣に添えられているのは、自家製の黒蜜や国産のきなこです。他にもほうじ茶や抹茶、最中など、侘び寂びを感じる空間にふさわしいメニューが様々。夏には期間限定でかき氷が提供されていたり、春には桜、秋には金木犀を閉じ込めた特別な「華わらび」のメニューがあったりと、四季の移ろいによって変化するメニューも足を運びたくなる理由の一つです。 

ディナーには、京野菜や季節の食材を使用した全7品のおまかせコース料理も(予約制・事前支払い)。季節のお造りや焼き魚、すき焼きや握り寿司に加え、もちろん名物の華わらびもいただくことができます。伝統と革新を織り交ぜた麓寿庵ならではのコースです。 

 

 

ライターのおすすめポイント  

個人的に注目していただきたいのは「大正ガラス」です。その独特の揺らぎは明治大正ロマンへの憧れをくすぐります。加えて麓寿庵では、その大正ガラスの張替えが行われないまま数多く現存しており、長年にわたって多くの人から大切にされてきた邸宅であることも感じることができます。ガイドさんが一緒に邸宅内を歩きながら丁寧におしえてくださるので、味覚だけでなく体験としての満足度も抜群です。 

モダンと伝統の交差点であり、当ホテルも位置している烏丸御池エリアを象徴するかのような、伝統と革新を織り交ぜた麓寿庵にぜひ足をお運びください。 

 

 

 

writer  

nimo ・ 京都出身 大学4回生 

 

 

麓寿庵 

604-8217 京都市中京区六角通新町西入西六角町101番地 

0757465927 

 

カフェ営業時間 

平日・土・日・祝  08:00 : 20:00 [19:00 L.O.] 

予約はホームページをご確認ください。 

 

ディナー営業時間 

月・木・金・土・日 

17:00 – 19:00、19:30 – 21:30、二部制 

* 火・水はディナー営業無し 

* コースは予約制で、先払いが必要 

 

https://rokujuan.com/ 

nimo

京都生まれ京都在住の大学4回生
カフェや建築をよく巡っています☕︎