京都府庁旧本館
時を超えて働く、工芸品のような名建築
今回は日本最古の現役の官公庁建物・京都府庁旧本館をご紹介します。京ホテル喜招邸御所南からは歩いて20分程、タクシーなどの利用で5分程の位置にあります。1904年の竣工から昭和46年まで京都府庁の本館として使用されたレンガ造りの洋館で、一部は現在も執務室として使用されています。
ルネサンス様式の建築でありながらも和の要素や優れた和風技術が取り入れられた建物で、その美しさはまるで工芸品のようだと言われています。
重要文化財
京都府庁旧本館は2004年に重要文化財に指定されました。日本人建築家による本格的なルネサンス様式の建築で、議事堂を一体化した府県庁舎建築として明治以降の府県庁舎建築の模範となったことなどが評価されています。
現在旧本館のなかで見学できる部屋には、正庁、旧知事室、旧議場などがあります。正庁はこれまで多くの公式行事や式典が行われてきたこの建物のシンボルのような部屋で、格式高い折上小組格天井という様式です。かの有名な宇宙飛行士・ガガーリンもこの部屋のバルコニーで府民からの歓迎を受けたそうです。旧議場は竣工110周年時に当時の姿に修復され、アーチ状に並べられた議席や装飾のついたしっくいの壁など、見どころ満載の空間です。
また、旧議場や館内にちらほらと見つけることができるレリーフは「アカンサス」という花がモチーフになっているのだとか。「芸術」「建築」という花言葉に加えて「切れない結び目」という花言葉があり、京都府民と京都府の結びつきを願ってかたどられているのではないでしょうか。
観桜祭
京都府庁旧本館では例年、桜の見頃になると「観桜祭」が開催されます。中庭に咲き誇る「祇園しだれ桜」や「容保桜」など6種7本の鑑賞を中心に、ステージや展示、お茶席の催し物があります。京都府庁旧本館の桜の中でもひときわ目を引く中央の大きな木は、円山公園の初代「祇園しだれ桜」の孫にあたる実生木(種から育った木)の枝垂れ桜です。その隣に佇むのは「容保桜(かたもりざくら)」と言い、松平容保公の名を名付けられた大島桜と山桜の特徴を併せ持つ珍しい品種です。その名は、京都府庁旧本館がそびえる場所がかつて京都守護職上屋敷跡であったことに由来するそうです。夜間にはライトアップされた桜の木々を見ることもできます。
喜招邸から京都府庁旧本館まで
喜招邸からはまっすぐ歩くと20分ほどの距離ですが、その途中には京都御苑・御所に立ち寄ることができます。御所の中にも数々の桜がその葉を揺らしており、桜の時期に京都府庁に訪れるのであればぜひ立ち寄っていただきたいスポットです。もちろん桜の時期以外にも、御所には四季によってさまざまな風景が現れます。
私たちは「京ホテル喜招邸御所南」という名の通り、京都の歴史的舞台である御所にほど近い場所で皆様をお迎えしております。
salon de 1904
府庁時代に使用されていた机や椅子、特徴的な白壁と赤いカーペットの空間でお食事を楽しむことができる、併設のカフェです。運営しているのは1971年創業の京都の名店・前田珈琲。半世紀にも渡って京都人に愛されてきた珈琲を、同じく長きに渡って京都を支えてきた文化施設の中で頂くことができます。店内やショーケースには調度品が飾られており、「オキュパイドジャパン」の印を見つけることができます。オキュパイドジャパンとは、日本がGHQの統制下にあった際、占領国であることを示すために輸出品につけられた「MADE IN OCCUPIED JAPAN」という表記のこと。輸出品であるため国内に残っているものは希少性が高く、またその歴史的な文脈からとても貴重で人気のあるアンティークです。
ライターのおすすめポイント
併設されているカフェ・salon de 1904の中では、机やキャビネットといった家具のどこかにとあるシールが貼られているものがあります。「品名」などの下に「京都府」の文字が書かれた四角いシールは、この建物が本館として使用されていた時代に実際に使用されていた家具につけられているそうです。カフェを楽しみながら当時の京都に思いを馳せてみるのも、静かで素敵な時間になるかもしれません。
nimo
カフェや建築をよく巡っています☕︎