地中で出会う、静かな睡蓮

地中で出会う、静かな睡蓮

 

 今回は、京都乙訓・山崎町にあるアサヒグループ大山崎山荘美術館をご紹介いたします。大正から昭和にかけて建設された「大山崎山荘」の保存再生を目的として運営される美術館です。アサヒグループの創業者である実業家のコレクションを中心に、日本の伝統工芸や西洋の美術作品を所有しています。知る人ぞ知る森の中の静かな美術館に、足を伸ばしてみませんか。 

 

丘の上の小さな美術館へ 

 大山崎山荘美術館は天王山の南麓に位置し、実業家・加賀正太郎の別荘として建設されました。加賀はアサヒグループの初代社長との縁が深く、現在はアサヒグループによって美術館として運営されています。 

 京ホテル喜招邸御所南からは、阪急京都線を利用して烏丸駅から大山崎駅に向かうことでアクセスできます。都市部からは離れており「ついでに立ち寄る」といったことが少ないため、まさしく知る人ぞ知る、静かで落ち着いたスポットです。大山崎駅からは徒歩でも送迎バスを利用することでも向かうことができます。 

 

クロード・モネの『睡蓮』 

 大山崎山荘美術館では、クロード・モネの『睡蓮』を常設展示しています。国内では国立西洋美術館、ポーラ美術館、地中美術館、DIC川村記念美術館とあわせてわずか5か所しかありません。また、DIC川村記念美術館は所有作品の大半を売却することが発表されており、『睡蓮』もその中に含まるため、さらに希少な美術館になることでしょう。 

 大山崎山荘美術館では3点もの『睡蓮』を所有しており、次節で紹介する安藤忠雄設計の地中空間に眠っています。 

 

 

地中に広がる、安藤忠雄の世界 

 安藤忠雄によって設計された地中館は、半地下構造の展示室です。安藤によって「地中の宝石箱」と名付けられており、彼らしい打ちっぱなしのコンクリートが周囲の自然を際立たせています。自本館からつながる通路を進み階段を降りると、私たちを迎えるのは静かな地中の展示室。クロード・モネの『睡蓮』が展示されています。 

 コンクリートとガラスで出来た現代的・幾何学的な構造は、イギリスの伝統的な様式を取り入れた本館との強いコントラストによって「過去と未来」を表現するかのよう。山並みの高低差を活かして自然に溶け込む、人工的な素材の建築物は、地中に眠る「宝石箱」を際立たせています。 

 

ライターのおすすめポイント 

 最寄りのJR山崎駅・阪急大山崎駅前からは無料の送迎バスが出ています。もちろんバスを利用するのも良いのですが、タイミングや混雑によっては利用が難しい場合も。 

私はJR山崎駅から徒歩で大山崎山荘美術館まで向かいましたが、都会では感じることのできない「山荘ならでは」の道中を楽しみながら向かうことができました。坂道が続くため苦手な方は送迎バスの利用をおすすめしますが、「大山崎山荘美術館の魅力を余すことなく味わいたい」という方はぜひ徒歩で向かってみることをおすすめします。 

nimo

京都生まれ京都在住の大学4回生
カフェや建築をよく巡っています☕︎