感じる、学ぶ、日本語の文化 

感じる、学ぶ、日本語の文化 

 今回は祇園にある「漢字ミュージアム」という施設をご紹介します。 

正式には「漢検 漢字博物館・図書館」という名前で、漢字を“勉強”するのではなく“文化”として体験することができる施設です。日本を旅する海外の方はもちろん、日本で暮らす私たちでも興味をそそられるような、たくさんの「体感する展示」が私たちを迎えてくれます。 

 

漢字ミュージアムとは 

 先ほど述べた正式名称の通り、日本漢字能力検定協会が運営する体験型ミュージアムです。2016年、祇園・八坂神社の近く、かつて中学校として使われていた地の跡に開館されました。京都市の歴史ある学びの場で、楽しく学びながら様々な体験をすることができます。 

 

漢字を知れば、京都が見える? 

 京都では、他の土地では見かけない独特の地名に出会います。 

 例えば「上ル」と「下ル」。京都の中心部の住所によく用いられている表現です。「上」という漢字は“線の上に点がある様子”から成り立った指示文字で、その読みの通り「何かのうえ」という抽象概念を表しています。京都の地名では、主に御所のある北へ向かうことを「上ル」、南へ向かうことを「下ル」と言います。京都が天皇の住まう京都御所に重きを置いてできた町であるということを鑑みると、漢字の意味を知ることが京都の文化を感じることに繋がると実感してもらえるのではないでしょうか。 

 また、御所以北でも単に北を「上ル」と表しますが、それは“「上ル」という表現ができた後に御所以北にも街が広がったため”などの説があるのだそう。京ホテル喜招邸御所南は御所のほど近くに居を構えているため、周辺を散策される際はぜひ「上ル」「下ル」という地名を探してみてください。 

 

見て、触れて、中に入って!? 

 漢字ミュージアムには様々な体験コンテンツがあります。万葉仮名のハンコで自分の名前を押してみたり、画面に映った自分の姿で漢字を完成させたり、特定の地域だけで使用される「方言漢字」を探したり。特に有名なのは、魚編の漢字が書かれた巨大な湯呑みです。鮨屋などで見られる“あの”湯呑みは、海外の方には特に「日本っぽい」というイメージが強いのではないでしょうか。人が2,3人入れる大きさの湯呑みは、写真映えすること間違いなし!海外の方も、日本の方も、お子様連れでも、デートでも、あらゆるシチュエーションで楽しんでいただけるはずです。 

 

海外からのお客様へ 

 漢字ミュージアムと言うと、「漢字が分からないと楽しめないのではないか」と不安に思われるかもしれませんが、ご安心ください。漢字とアルファベットが併記されていたり、漢字の意味が分からなくても視覚的に楽しむことが出来たり、英語圏の方々にも楽しんでいただける配慮がされています。中国から伝わった漢字文化が、日本独自の発展を経て今に伝わっているという背景を、世界中の方に体験してもらうことができるはずです。 

 

ライターのおすすめポイント 

 毎年清水寺で揮毫・発表される「今年の漢字」。あの大きな色紙は、発表後どこに展示されているかご存じでしょうか。あの色紙を誰でも見ることができるのが、なんと、漢字ミュージアムなのです。翌2月頃まで過去の「今年の漢字」と共に展示されているため、冬の京都をお楽しみの際はぜひ漢字ミュージアムに立ち寄り、「今年の漢字」の迫力を間近で感じてみてください。 

nimo

京都生まれ京都在住の大学4回生
カフェや建築をよく巡っています☕︎